相次ぐ自然災害により火災保険料が大幅値上げ 家計に打撃?!

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2021年06月09日

相次ぐ自然災害により火災保険料が大幅値上げ 家計に打撃?!

火災保険料が大幅に値上げされる見通しとなりました。
皆さん身をもって感じていらっしゃる方も多いと思いますが、豪雨や台風など、自然災害が増えているためです。

 

損害保険各社で作る「損害保険料率算出機構」は、一般住宅を対象とする火災保険料の目安となる「参考純率」を約11%引き上げる方向で調整しています。


加入している限り払い続ける保険料。
値上がりとなれば家計に響く方も多いと思います。

今回は引き上げになった理由と火災保険の仕組みをお話します。

参考純率とは

まず「参考純率」について。
これは損保各社が過去に支払った保険金額などを踏まえて算出されます。

引き上げが決まれば、2019年以来、2年ぶり。

引き上げ幅は2005年(8・7%)を上回り、過去最大となります。


損保各社は22年度に火災保険料の値上げに踏み切るとみられます。

参考純率を目安に加味するため、値上げ幅は11%よりも大きくなる可能性が高くなります。

2019年に参考純率が4・9%引き上げられた際には、損保大手4社は保険料を6~8%値上げした経緯がありあす。


火災保険は、火事による家屋の損害だけでなく、風水害による被害にも保険金が支払われます。

ここ数年、自然災害は増加傾向にあり、主要各社の火災保険収支は赤字傾向となっています。


日本損害保険協会によると、18年度の損保各社の自然災害に伴う保険金支払額(地震による被害を除く)は、過去最大の約1・5兆円になりました。

自然災害の増加に保険料値上げのスピードが追いついていないのが実情のようです。


機構は、自然災害の発生状況を早く保険料に反映することを目指し、参考純率の適用期間を、10年から5年に短縮するといいます。

これは契約のタイミングによって保険料に大きな差が出ることを防ぐ狙いもあるそうです。

自然災害によって支払われた保険金

火災保険は、ご存じのとおり、住まいに万が一のことがあった場合に備えて加入するものです。
 
賃貸では入居時に火災保険への加入が義務化されていますし、住宅を購入するために住宅ローンを契約した場合にも、融資する金融機関から火災保険の加入を求められます。
 

「火災保険」は火災の場合にのみ補償だけでなく、「落雷、風災、ひょう災、水災」などの自然災害や、「水漏れ、盗難」などの被害に対しても保険金が出るなど、補償範囲は広域に渡ります。
 

自然災害による損害でも保険金が出るということは、被害額が大きくなると、保険会社が支払う保険金が増えるということです。
 

近年、自然災害の増加によって保険会社は多くの保険金を支払っています。

 

では、ここ数年でどれぐらいの保険金額が支払われてきたのでしょうか。

  

 2013年度から2019年度までの主な災害と、支払われた保険金を一覧にしたのが次の表です。

↑「第Ⅱ部火災保険/自然災害」(2019年度 火災保険・地震保険の概況/損害保険料率算出機構から引用抜粋)

保険料の決まり方

火災保険をはじめとした損害保険は、契約者が少しずつお金を出し合い、万が一のことがあった際には、集められたお金から保険金が支払われるという仕組みで運用されています。

将来に起こりうるリスクに備える商品であるため、実際に事故などが起こるまで、保険金額がいくら支払われるのかは分かりません。

そのため、保険料を決めるにあたっては、「保険料率」という、保険料の目安となる数値を参考にして損害保険会社各社がおのおの設定することになっています。
 
保険料率は、「純保険料率(参考純率)」と、「付加保険料率」で構成されていて、それぞれの内容は以下の通りです。
 

・純保険料率(参考純率)…事故により損害が発生したときに、保険会社が支払う保険金に充てられる部分
・付加保険料率…損害保険会社が事業を行うために必要な経費の部分
 

 純保険料率(参考純率)が引き上げられると、損保各社がそれをもとにして保険料の値上げを実施するという流れになっています。

まとめ

火災保険料は、参考純率の引き上げから数年後に値上げされます。

ここ最近毎年のようにやってくる台風や暴雨などの自然災害によって保険金が増加し、保険会社の収支が赤字傾向になることによります。

直近の参考純率の見直しは、2019年10月末で、見直しされた結果、2021年1月の火災保険料に反映されました。

また、2020年すでに起きている災害や、近年の災害発生件数を考慮すると、3年度連続(2021年度)の火災保険料値上げも大いに考えられます。


火災保険は住宅の購入時に加入したままの人も多いとみられますので、災害のリスクや万一の場合に必要な金額を踏まえ、
定期的に見直しをすれば保険料の節約も可能かもしれませんね。
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