実家の放置にご注意を!相続空き家、登録義務化の動き

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2021年03月02日

実家の放置にご注意を!相続空き家、登録義務化の動き

所有者不明土地と聞いて、皆さんはどのようなものを思い浮かべますか?人が住んでいるのかどうかの気配が感じられない、家の周りに草木が生い茂る、そんな光景を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
政府はこのような所有者不明の土地に対して、土地の相続人を割り出し、相続登記を義務化することなどを柱とする法案を提出する動きを見せています。
成立すれば2023年度から順次施行されるとみられるこの法案、これを読んでいるあなたも他人事ではないかもしれません。
政府は2018年度から、所有者不明の土地の相続人を戸籍などから調べ登記を促す事業を行っていますが、2020年末時点で約5万人の相続人が判明しました。
その中には、曽祖父の代から名義がそのままになっているケースなどがあり、見ず知らずの土地の登記を求められているケースもあるようです。
現在、登記を求められているのは通知が来た方だけですが、将来に目を向けてみると親の住んでいる家が該当することも十分にあり得る話です。
では、なぜ今からそのような話が上がってくるのでしょうか?
それは政府が所有者不明土地対策の関連法案を3月上旬国会に提出するからです。
今回提出される法案のポイントは3点です。

1点目は、冒頭から述べている土地・建物の相続登記の義務化です。
現在、登記は任意で申請期限もありませんが、改正案では相続開始から3年以内に登記することが義務付けられています。

2点目は、亡くなった方の遺言が無い場合に行われる遺産分割協議に期間を設ける事です。
現在、法律上の期限はありません。
それ故に、前の家が老朽化したり、立地が不便で子どもが住まず売却や賃貸も決まらないまま放置される要因にもなっていました。

3点目は、土地所有権の国庫帰属制度の新設です。
これは相続人が不要と判断した土地を国が引き取る仕組みのことで、相続人は10年分の管理費を払うことになります。
ただし、引き取ってもらうためには国の審査があり、対象となる土地は更地が条件となるため、建物があれば相続人の負担による解体が必要になります。
この他にも、抵当権が設定されていない、境界争いがない、土壌汚染がないなどの条件を満たす必要もあります。
では、なぜ政府は相続登記を義務化する動きを見せているのでしょうか?
それだけ所有者不明土地問題が深刻であるためです。
所有者不明土地があると、公共事業や都市再開発での土地の買収に時間がかかることや、草木が茂って隣家や周辺に迷惑がかかることもあり得ます。

法律成立後、どの制度から施行されるかは、今後の動きに注目していきたいところですが、いずれにせよ多くの人が直面し得る問題です。
特に親と別居し、親に持ち家がある場合は、早めの対策として親子での介護や相続の話し合いをしておくのもひとつの方法かもしれませんね。
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