全国で空き家が3割に

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2022年10月23日

全国で空き家が3割に

全国各地で空き家が増え続けて大きな社会問題となっています。どのような対策が必要なのでしょうか?

空き家の特徴

総務省が18年に実施した住宅・土地統計調査によると、日本の空き家率(住宅総数に占める空き家の割合)は13.6%でした。全体のおよそ7戸に1戸が空いている計算です。38年にはこれが3戸に1戸近くになると試算されています。日本全体が直面する空き家問題ですが、全国の自治体ごとに空き家率の高さを比べると「西高東低」の傾向があることが分かりました。

都道府県別の空き家状況

都道府県別で比較すると、中国・四国や九州で空き家率が高い一方、首都圏を中心に東日本エリアは低いです。四国では空き家率19.5%の徳島県を筆頭に4県がいずれも都道府県別で上位10位以内に入りました。中四国地域の全9県が空き家率15%以上ですが、全国で最も空き家率が低いのは10.2%の埼玉県です。東京都(10.6%)や神奈川県(10.8%)といった首都圏のほか、宮城県(12%)なども全国平均の13.6%を下回りました。

「西高東低」の理由

関西で空き家率が高い一因とみられるのが、1995年の阪神・淡路大震災です。震災を経て関西圏にある古い住宅の建て替えが進んだものの、それを上回るペースで人口減少が進みました。実際、被害が大きかった淡路市(25.9%)や火災被害の大きかった神戸市長田区(18.3%)の空き家率が高い。被災地では震災後に建てられた耐震や免震対策の進んだ物件が空き家になっていることも多く、倒壊リスクが低いためかえって手つかずのままになっている可能性があります。

空き家問題をビジネスに

使われなくなった中古物件を借り上げ、設計から施工、転貸までのリノベーションにワンストップで対応するジャパンアセットマネジメント(Jam、東京・品川)という会社があります。同社が空き家再生の依頼を受けると、現地を調査して新しい用途を検討することから始まり、工事を進めながら当初の計画を再調整していきます。上池台(東京・大田)に建つ木造2階建ての一軒家は9月に社宅機能を備えたオフィスへと生まれ変わりました。
この家はもともと持ち主が相続で引き取り、使い道がなく空き家になるところだったが、Jamがこれを借り上げ、1階をぶち抜き、木造建築のぬくもりが感じられるデザインの事務所に改造しました。現在はセカンドオフィスとして大阪の工事会社に貸し出しています。

まとめ

空き家は親族の死亡に伴う相続などをきっかけに問題が浮き彫りとなることが多くあります。一方、もともとの所有者が健在だったとしても、住宅の維持管理が必要となる場合があり、建物の老朽化が進めば、災害時に破損して近隣に被害を及ぼすことも想定しなければならず、賠償責任が生じるリスクも高くなります。
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