都心を中心にマンション価格の高騰が続いてきた結果、戸建て住宅の相場は押し上げられてきました。自らが住む目的で住宅を購入する人たちが戸建てに目を向けて購入する流れなどから、2024年8月には2014年の調査開始以来の最高値に上昇していました。しかし、10月の新築小規模戸建て住宅の平均希望売り出し価格は2カ月連続で下落し、3年半ぶりの2カ月連続マイナスとなりました。これまでの上昇基調に陰りが見え始めています。
不動産調査会社の東京カンテイがまとめた10月の新築小規模戸建て住宅の平均希望売り出し価格は2カ月連続で下落し、3年半ぶりの2カ月連続マイナスとなりました。調査は敷地面積が50平方メートル以上100平方メートル未満の新築木造一戸建て(土地含む)について、最寄り駅まで徒歩30分以内またはバスで20分以内の物件を対象としています。東京23区で2024年8月には過去最高の7783万円を記録していましたが、前月比3.2%安の7374万円と価格が下落しているのがわかります。東京23区の新築小規模戸建て住宅の同価格が2カ月連続で前月比マイナスとなったのは、2021年3〜4月以来となります。
新築戸建て住宅の価格下落の背景には、住宅ローン金利の上昇があげられます。日銀は3月にマイナス金利政策の解除を決め、7月末には追加利上げに踏み切りました。各金融機関は住宅ローン金利の引き上げに動いています。その結果、自らが住む目的で住宅を買う人たちが購入を控える動きを見せており、相場が下落に転じたと考えられます。
東京23区内で品川区や目黒区、世田谷区といった相対的に価格水準が高く戸建て供給の多いエリアでの下落傾向が目立つといいます。
東京都全体でみても2024年10月の同価格は前月比1.6%安の6551万円と2カ月連続で下落しました。8月は過去最高の6864万円でした。
首都圏の同価格は前月比0.5%安の5340万円で、2カ月連続の下落となりました。一方、東京都の周辺3県では上昇傾向がみられます。千葉県は8.4%高の4743万円となり、調査開始以来の最高値を更新しました。神奈川県は2.3%高の4799万円、埼玉県は2.5%高の4312万円でした。東京都の周辺3県は元々の水準が相対的に低いため、今後も価格上昇の余地があるということです。
日本経済新聞の調査によると、東京都で発売された最寄り駅から徒歩5分以内の新築マンションの平均販売価格は2024年1〜9月に1億1449万円と10年前の2倍まで上昇しています。用地減少による土地取得コストの上昇や希少性を求める外国人富裕層の台頭などを背景に、郊外物件との価格差が急速に拡大しています。
都内駅近物件で価格が急騰する背景の一つには開発用地の減少があります。国土交通省がまとめた基準地価調査で2024年7月と2014年同月を比較すると、東京23区内の駅から500メートル以下の住宅地価上昇率は43.2%です。一方で駅から1000メートル以上になると23.9%で、駅に近くなるほど地価上昇率が増しています。
購入者層に外国人富裕層が多いことも価格急上昇の背景にありそうです。購入者層は中国や台湾、シンガポールなど東南アジアの企業経営者で、駅周辺の高層マンションをセカンドハウスや賃貸用に購入するケースが多いといいます。家賃相場の上昇により高い利回りが見込める点も人気の理由の一つのようです。
ただ、金利上昇も見込まれる中でのマンション価格の高止まりは購入者層の縮小を加速させる恐れもあります。不動産助言会社のトータルブレインが不動産各社に2024年前半に販売した物件の売れ行きを「好調」「まずまず」「苦戦」の3段階で聞いたところ、駅徒歩5分圏内の「好調」物件は57%と前年(52%)を上回ったものの、新型コロナ禍で住宅需要が底堅かった2021年(69%)に比べると12ポイント低下しています。
都内の駅近物件の価格上昇は今後も続く可能性が高いと言えますが、自らが住む目的の若い世代が戸建てや賃貸を選ぶようになり、中長期的にマンション販売市場が縮小することも考えられるかもしれません。
【2024年11月8日/11月10日 日本経済新聞より抜粋】
駅近マンションの価格は10年前の2倍まで上昇を続けています。一方、新築戸建て住宅の価格は住宅ローン金利の上昇の影響などからこれまでの上昇基調に陰りが見え始めています。
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